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ラベンダーとマネーロンダリング

富良野の主な観光資源と言えば、夏のラベンダー畑と、冬のスキーでしょうか。

『北の国から』ファンならいざ知らず、春と秋の富良野は一般の観光客には見どころが乏しいように思えます。

とは言え、最近は旭山動物園や美瑛観光のおりに富良野に宿泊する外国人観光客が多いようです。

 

富良野は、そろそろラベンダーの季節です。

そもそも、ラベンダーとは何なのか、なぜに富良野なのか?

ちょっと調べてみたら、意外なことがわかりました。

 

【富良野のラベンダー】

ラベンダーはシソ科の多年生草木で、地中海沿岸で古くから香料の原料として栽培されていました。

日本のラベンダーの歴史は、1937年(昭和12年)に香料会社がフランスから種子を輸入したことに始まります。

富良野地方で栽培が始まったのは、1947年(昭和22年)頃と意外に新しいです。

1970年頃に生産のピークを迎え、その後、合成香料と安い輸入香料の台頭により急激に衰退しました。

 

1976年(昭和51年)に、国鉄(現在のJR)のカレンダーに紫色のラベンダー畑の写真が使われて脚光を浴びることになります。

その後、中富良野や上富良野にラベンダー畑が次々と作られて観光名所になり、今に至ります。

 

ラベンダーについて:

https://www.town.kamifurano.hokkaido.jp/hp/saguru/0908katai.htm

https://www.kamifurano.jp/nature/lav_about/

https://www.farm-tomita.co.jp/sp/history/

  

【ラベンダーの語源】

「lavender」は、ラテン語の「lavo」や「 lavare」(洗う)が語源とされるようです。

古代ローマ人は、ラベンダーを入浴や洗濯の香りづけに使っていました。ラベンダーは観賞用の花ではなく、「身体や衣服を清める香り」だったのです。

 

英語の「lavatory」(洗面所)も同じ系統の言葉です。

ラベンダーには、もともとそうした「浄化」のイメージが込められていました。香りによって身体を洗い、心を整えるのですね。

 

一方、コインランドリーの「laundry」は、洗濯や、衣服を洗う場所を意味します。

語源をたどると、ラテン語「lavare」が、俗ラテン語や古フランス語を経由し、英語の「laundry」につながったということです。

 

「lavender」(ラベンダー)、「laundry」(ランドリー)、「lavatory」(洗面所)は、すべて「洗う」という感覚で結びついています。

富良野の花畑と、街中のコインランドリーが、同じ語源を共有していることになります。

 

【マネーロンダリング】

「laundering」も「laundry」と同じく、洗濯の意味があります。

現代では別の意味でも使われます。「money laundering」(資金洗浄)、いわゆるマネーロンダリングです。

犯罪などで得た「汚れた金」を、正当な資金に見せかける手段。これもまた、「洗ってきれいにする」という発想から生まれた言葉のようです。

 

本来は、ラベンダーの香りで身体や衣服を清める穏やかな言葉だったのが、現代では金融犯罪を表す言葉にも転用されています。

富良野の土地が外国人により買い占められ、もしもマネーロンダリングに利用されているとしたら、洒落にもなりませんね。

 

【ラベンダーの魅力】

僕は富良野に行ったら、ラベンダーのドライフラワーをよく買います。

2〜3mmの小さな蕾(つぼみ)を親指と人差し指でつまんで、ギュッとつぶしてスリスリすると、鮮烈な香りが立ち上がります。

このちっぽけな物体のどこに、こんな豊かな香りが蓄えられているのか不思議です。

ラベンダーの香りには、心を清め、疲れを洗い流すような効果があります。ラベンダーの語源が「洗う」であるのもうなずけます。

 

 

もうじき富良野が観光客でにぎわう季節が始まります。

写真映えする紫色のラベンダー畑もさることながら、ラベンダーの本当の魅力は、人の気持ちを静かに整えてくれる香りのほうにこそあるのではないでしょうかね。

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